AIは音楽産業をどう変えるのか

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ラジオから流れてくる音楽、何気なく聴いているその曲には、「作詞作曲」や「演奏」といったものとは別の、見えない技術が隠されている。その一つが「マスタリング」だ。曲を綺麗に磨き上げ、どんなデバイスでも高音質で聴けるようにする工程のことだ。今、そのマスタリングをAIで行う動きが加速している。

Inside Scienceは、同サイトの記事の中で、オーストラリアWollongong大学の調査員Thomas Birtchnell氏の話を紹介している。音楽家でもある同氏によれば、「マスタリングの作業内容は明確ではないが、その工程を経た音楽はよりよいものになってくる。AIに基づいたマスタリングサービスを低価格で提供するLANDRのようなサイトは、非常に興味深い」という。従来のマスタリングは、人が音楽を聴いてノイズを除去したり、ステレオバランスや音圧を調整したりしていたが、将来AIで代替できるようになると予想されている。また、AIが早期にインパクトを与える分野は「作曲」だと言われている。ポップなメロディやコード進行の制作が対象だ。反面、曲のアレンジなど非常にクリエイティブな分野では、AIは苦労すると見られている。だがBirtchnell氏は、結局AIがクリエイティブな面も引き継ぐと信じて疑わない。

Hypebot.comによると、前述のLANDRでは、すでに200万人の音楽家がそのプラットフォームを使っており、2014年の創業以来、190ヶ国で1,000万曲のマスタリングに使用されたという。AIが音楽の大部分を制作する日はそう遠くないのかもしれない。