医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例疾患治療へのAI活用事例英大学 卵巣がん患者の治療効果・生命予後をAIで予測

英大学 卵巣がん患者の治療効果・生命予後をAIで予測

英Imperial College London(ICL)の研究チームは、AIを利用し、卵巣がん患者の生命予後や治療反応性を正確に予測するシステムを開発した。従来の予後予測に比べても高い精度を示しており、卵巣がん患者の治療法選択を助ける画期的な技術として注目を集める。

ICLが15日公表したところによると、このAIシステムは、CT画像上の微細な変化を捉えることで卵巣がんを独自に層別しており、従来のサブタイプや進展度から行う分類とは全く異なるという。研究を率いたEric Aboagye教授は「この技術は臨床医に対し、患者が他の治療法にどういった効果を示すのかを提示することで、より正確で個別化された決定を促せる」としている。

がん治療の発展は著しいが、進行期の卵巣がんにおいて長期予後は非常に不良であり、これまでの画一化された治療方針での打開は難しかった。英Evening Standardの報道で、研究チームは「AIはヘルスケアの在り方を変える潜在能力を秘める」としており、医療AIによるブレイクスルーは今後も続く見通しも示した。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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