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猫の捕食本能を抑えるAI? – 感染症予防の観点から

飼い猫であっても、ネズミをはじめとした小動物への捕食本能は必ずしも揺るがない。多くの動物に感染する原虫「トキソプラズマ」は、猫に感染した場合のみ、その糞便中に虫体を含むオーシストとして排泄され感染性を持つ。

Amazonのある社員が興味深いAIアルゴリズムを開発し、話題を呼んでいる。BBCの報道によると、猫の捕食本能を抑制するため、AIを用いた画像認識により口に獲物を加えた状態ではキャットフラップ(ドア下部に取り付けられた猫用の通路)が開かないシステムを構築したという。23000枚に及ぶ飼い猫の画像を開発者自身で分類し、「獲物を加えた状態」「加えていない状態」など、状況別にアルゴリズムに学習させた。

開発者の主眼は「猫に殺傷を行わせない」ことにあるが、特に妊娠可能性のある家庭などにとって感染症予防の観点からも有用となる可能性がある。経胎盤感染によって引き起こされる先天性トキソプラズマ症は、胎内死亡や流産、水頭症などの原因ともなる。このシステムでは、外で獲物を食べてしまう癖がつけば本質的に無意味だが、感染症予防の観点からは、家庭に動物の死骸を持ち込ませないメリットも少なくない。ただし、十分な手洗いと猫の糞便処理では手袋を着用するなど、一般的な対策が最も有効であることは言うまでもない。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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