手術ロボットが人工関節置換を高精度化

韓国のGachon University(カチョン大学校)は、同Gil Medical Centerで行われた整形外科手術に関し、手術ロボットによるアシストを利用した人工膝関節置換術に成功したことを公表した。NAVIOと呼ばれるこの外科手術システムを活用した例は、韓国国内では初めてとなる。

Korea Biomedical Reviewが先週報じたところによると、Gil Medical Center整形外科教授であるSim Jae-ang氏が主導した本手術では、変形性膝関節症を持つ患者に対してNAVIOを活用した人工関節置換を行ったという。手術は成功し、患者は快方に向かっている。NAVIOは”Image-Free Platform”としても知られ、UVカメラを活用した3次元画像構築によって、従来のCTスキャンによる関節評価を避け、患者の被曝量を低減することができる。またロボットによる手術アシストは整形外科医の手技精度を向上させ、より正確な関節置換を実現させるとのこと。

NAVIOは英国の老舗医療機器メーカー・Smith & Nephewが開発したプロダクトで、日本においては近畿大学が本年4月に導入を公表している。国内においても人工膝関節置換術・人工股関節置換術のいずれもその施行件数は急速に増加しており、執刀医ごとの手技精度のバラツキを改善する手術支援システムは、その発展への期待が非常に大きい。

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