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チャットボットベースの症状チェッカーに欠けているもの

チャットボットベースの症状チェッカー(CSC)は現在、スマートフォンアプリとしても広く普及を始め、初期診断と受診先選定の拠り所となろうとしている。一方で、「CSCには決定的にかけているものがあり、従来の受診プロセスに及ばない」とする研究成果が明らかにされた。

Medical Xpressが報じたところによると、米ペンシルベニア大学の研究チームは、この種のCSCアプリがサポートするのは既往歴の確認や症状評価、初期診断、追加検査の選定、紹介などに限定されることを示した。研究チームは、既にサービス提供の行われているCSCアプリの機能レビューのほか、インタビューによるユーザーエクスペリエンス分析を加えた定性評価を行った。アプリ単独では実際の検査施行や検査結果の解釈、最終診断の提供などの機能が不足することを指摘する。また、アプリユーザーは柔軟な症状の伝達ができないこと、曖昧な病歴が許容されないこと、意図の分からない質問などに機能の不足を実感していた。

研究チームは、入力システムの改善や分かりやすい文章表現・説明、チャットボットにおける会話機能の向上などによって大幅に改善できる可能性があるとする。CSCが完全に臨床ワークフローに取り込まれるのは時間の問題とみる向きが強い一方、研究成果は当該テクノロジーの進む方向性にひとつの示唆を与えるものとなっている。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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