Ibexの新たな資金調達 – 病理学AIの雄へ

イスラエル・テルアビブに本拠を置くIbex Medical Analyticsは9日、シリーズBラウンドとして新たに3800万ドルの資金を調達したことを明らかにした。同社はこれにより、2016年の設立以来、5200万ドルの資金を調達したこととなる。

Ibex Medical Analyticsが明らかにしたところによると、今回の新たな資金確保により、研究開発の加速に併せて北米および欧州での臨床展開の拡大を狙うという。IbexのGalenソリューションは、病理学におけるデジタルトランスフォーメーションを実現してきた。なかでも、前立腺生検によって得られる組織標本を自動解析し、前立腺がんの見逃しを防ぐGalen Prostateはその高い識別精度により、早期から規制当局の承認と実臨床導入を進めてきた(過去記事)。

IbexでCEOを務めるJoseph Mossel氏は「診断クオリティが常に最優先事項であり、がん治療プログラムの基礎となる。私たちのAIは誤診を排除し、実臨床を向上させるゲームチェンジャーであることを示し続けてきた」とし、同社の取り組みと品質に大きな自信を示す。病理学領域はAIによる自動化との親和性が高い一方、多科多領域における診断を支えているために、いまだ手つかずのエリアを多分に残している。Medmain社をはじめとし、当編集部は当該領域における日本発スタートアップにも大きな関心を持って動向を注視するとともに、新たなプレイヤーの登場にも大きな期待を持っている。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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