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血清ラマン分光法とAI – アルツハイマー病の新しいスクリーニング手法開発に向けて

アルツハイマー病(AD)の治療・進行抑制の観点から、最も介入効果が高いと考えられているのは病初期であり、ADの客観的な早期検出手法の開発は臨床的にも強く求められている。米ニューヨーク州立大学オールバニー校の研究チームは、ラマン分光法によって血液検査からADリスクを識別する機械学習アルゴリズムの構築を目指している。

ラマン分光法は、ラマン線の波長や散乱強度から物質の同定・定量を行う分光法で、赤外分光法では困難とされる水溶液スペクトルを、ごく微量の試料から測定することが可能となる。研究チームがこのほど、Spectrochimica Acta Part A: Molecular and Biomolecular Spectroscopyからオンライン公開した研究論文によると、高脂肪食によってアルツハイマー初期状態に誘導されたラットと、標準食で管理されたラットの血清分析を行った。ラマン分光法の定量結果に基づきトレーニングされた機械学習アルゴリズムは、外部検証用セットにおいても2群を100%の精度で識別することができた。

研究チームは「血清ラマン分光法とAIの組み合わせによって、ADの最初期ステージを把握することができる可能性がある」点を強調しており、将来的な早期スクリーニング手法としての潜在的有効性に言及している。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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