医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例Medtronic - 大腸ポリープ検出AI「GI Genius」の臨床試験

Medtronic – 大腸ポリープ検出AI「GI Genius」の臨床試験

大腸がん罹患を低減するため、大腸内視鏡によるポリープ発見と除去が行われている。そこではリアルタイムのAI支援を活用する開発競争が進んできた(過去記事)。医療機器メーカー大手のMedtronic社も同領域へ参入しており、市販型大腸ポリープ検出AI装置「GI Genius」による英国初の臨床試験「COLO-DETECT」が開始されている。

国際標準のランダム化比較試験登録「ISRCTN」には、COLO-DETECTの概要が示されている。GI Geniusは既存の大腸内視鏡に接続するボックス型のAIデバイスで、カメラからのビデオ画像をリアルタイムで解析しポリープなど異常の可能性がある部位を緑のボックスで強調表示することができ、内視鏡医の評価と切除判断を支援する。COLO-DETECTではGI Geniusの使用で、使用しなかった場合と比較してより多くのポリープを検出できるか、内視鏡検査に悪影響がないか、被験者の使用経験を含み多面的にデータを収集する。

英国では4月にBowel Cancer Awareness Month(腸管がん啓発月間)が展開されている。キャンペーンの一環として学術誌出版社BMCの記事では、COLO-DETECTを主導するメンバーのAlexander Seager氏が同試験について解説する。Alexander 氏によると、試験は3月下旬に最初の患者を募集し、1年半で2,000人以上の患者を集めることを目標としており、COVID-19の影響で制約を受けた内視鏡検査分野における研究活動継続の重要性を訴えている。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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