医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例冠動脈CTAのAI解析「Cleerly」 - 4300万ドルのシリーズB資金調達

冠動脈CTAのAI解析「Cleerly」 – 4300万ドルのシリーズB資金調達

心臓の冠動脈が狭窄・閉塞することで、狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患が引き起こされる。冠動脈を詳細に画像化する心臓CTA(Computer Tomography Angiogram)は、欧州のガイドラインを中心に冠動脈疾患の検査では第一選択となってきた。心臓CTAの解析AIを開発するスタートアップに米Cleerly社がある。

Cleerly社による21日付ニュースリリースでは、4300万ドルのシリーズB資金調達の開始を発表している。同社のFDA認証済みのAI技術は、冠動脈全体から動脈硬化を含む心血管障害の特性を捉え定量化する。AIの性能は学術誌 Journal of Cardiovascular Computed Tomographyに発表され、70%以上の冠動脈狭窄を99.7%の精度で検出できるとする。

Cleerly社は資金調達によってパートナーシップの拡張を図るとともに、需要に応えるための規模拡大を目指している。TechCrunchのリリースでは研究チームのMin氏が「これまで目立たない存在であった我々だが、需要を満たすための準備を整え、表舞台に出ようとしている」とコメントした。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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