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FDAが「医療機器における3Dプリント技術」への意見を募集

米国における医薬品および医療機器の規制当局にあたる米食品医薬品局(FDA)はこのほど、ポイントオブケアのための「3Dプリント医療機器」について、その規制に焦点を当てた新しいディスカッションペーパーを公表した。

同局のCenter for Devices and Radiological Health(CDRH)は当該文書を公開し、「医療機器業界、メーカー、医療従事者、医療機関、その他の関係者」からの意見を広く求めている。ディスカッションペーパーには、3Dプリント技術の簡単な歴史と、3Dプリント設備が機器の安全性・有効性にどのような影響を与えるかについて、現時点でのFDAの見解が記載されている。また、病院・クリニック・その他医療施設での機器のプリントに関連し、いくつかの重要な課題についても詳しく解説を加えている。

CDRHの機器評価部門でディレクターを務めるWilliam Maisel医師は「医療機器の3Dプリントは、イノベーションとヘルスケアの最前線にある」と述べ、技術の活用が今後さらに広がることに触れる。その上で、「患者に個別最適化した装置や手術計画用の解剖学的モデルを迅速に作成できる」といった医療者向けとしての、従前の利用用途拡大だけではなく、「医療施設が患者ニーズに迅速に対応するのに役立つ多くの用途がある」と、その利用領域の広さに言及している。

18ページに及ぶ「3D Printing Medical Devices at the Point of Care」は、FDAのウェブサイトから入手・閲覧が可能となっているので、ぜひ参照のこと。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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