Healthy.io – 家庭用腎機能検査キットで米FDA認証取得

イスラエルのAIスタートアップ「Healthy.io」(過去記事参照)は家庭用腎機能検査のためのスマートフォンアプリキット「Minuteful Kidney」を開発している。同社は12日、Minuteful Kidneyが米国食品医薬品局(FDA)の510(k)認可を受けたことを発表し、米国での本格的な市場展開を開始する。

Minuteful Kidneyは、自宅で採取した尿検体に試験紙を浸し、スマートフォンカメラで読み取ることで、尿中アルブミンクレアチニン比(ACR)を算出するというAIツールだ。尿中ACRは慢性腎臓病(CKD)をモニタリングする身近な検査指標であり、初期で自覚症状の乏しい潜在的なCKD患者をスクリーニングできる。Healthy.ioによると、米国内でCKDリスクを抱える人々は全国民の3人に1人(7,500万人)との試算があり、その約80%(6,000万人)が年1回の検査を受けられずにいる状況という。米国内での検証では、Minuteful Kidneyによる在宅検査によって、従来検査を受けていなかった人々の検査遵守率が最大50%上昇したとしている。

創業メンバーの1人で最高製品責任者のRon Zohar氏は「FDAと協力して行われた機器認証への作業によって、米国民により良いデジタルヘルスを提供するAIイノベーションが促進された。スマートフォンを持つ全ての人々が我々の先端技術にアクセスできるよう、米国の保険者・保険会社と協力関係を拡大していきたい」と語った

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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