香港を世界最高の開発拠点へ – 地元研究者に医療ビッグデータへの無償アクセス許可

香港は現在、バイオテクノロジー分野で世界第2位の資金調達拠点と言われている。独立行政区の強みを活かし、「医療政策の策定支援、バイオテクノロジー研究の促進、臨床サービスの向上」という目標を香港の医院管理局は掲げている。 香港の新聞社 South China Morning Postの記事によると、医院管理局は25年以上に渡って集積された計280テラバイト超の医療記録へ、地元研究者たちの無償アクセスを許可制で開始している。単一のプラットフォームとしては世界最大級を誇り、投薬記録や放射線画像などの検査結果を含む。患者の個人情報は削除してプライバシーを保護するとともに、データの持ち出しを許可せず、顔認証システムで不正アクセスを防止するなどしている。同プラットフォームの活用例として、香港理工大学と香港科技大学の共同チームは、X線画像から股関節部の骨折を診断するAIシステムの開発に取り組んでいるという。 米メディアOpenGovの報道によると、香港特別行政区政府は2019年1月、バイオテクノロジー関連の500以上のプロジェクトに総額1億3千万米ドルの資金提供を行った。ニューヨーク・ロンドンと並ぶ最も競争力の高い金融市場を持つ香港では、世界一の医療技術開発拠点となるために政府を中心とした強力な支援体制づくりが続けられている。

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従業員の64%が上司よりロボットを信頼する世界 – AI at Work オラクルの調査

AIが職場における人々とテクノロジーの関係性をいかに変えているか。以前にはフィリップスの Future Health Index というAI医療利用の世界的な調査を紹介した(過去記事)。 2019年10月、米大手ソフトウェア企業のOracleが発表した AI at Work では、従業員の64%がマネージャーよりもAIおよびロボットに信頼を寄せるという結果を示した。人材管理などを専門とする企業 Future Workplace と共同で行った調査は、10か国8,370名の従業員・マネージャー・人事リーダーを対象に行われた。全体平均64%に対して、インド(89%)や中国(88%)は極めて高いロボットへの信頼であり、日本も76%で平均を上回る。 ロボットがマネージャーより優れていると感じる項目については、情報提供の公平さ(26%)、作業スケジュール管理(34%)、問題解決力(29%)、予算管理(26%)という内訳であった。 一方で、マネージャーがロボットより優れていることについては、感情の理解(45%)、コーチング(33%)、職場のカルチャーを生み出すこと(29%)となる。 Oracleの担当者 Emily Heは「過去2年間と比較して、労働者が職場にAIが採用されることやAIが人材管理を行うことに対して楽観的になってきていることがわかってきました。AI主導型の職場における、管理職の役割が再定義されようとしています」と語った。

Ambient Clinical Intelligence – 医師を書類作業から救うAI環境開発

テック大手のMicrosoftは、音声認識で知られている米Nuance Communicationsと提携し、医師の煩雑な書類作業を激減させるAI環境開発を進めている。 Fierce Healthcareの報道によると、Microsoft AzureのクラウドプラットフォームとAI技術に、Nuanceが持つ臨床文書および臨床現場での音声認識に関する専門技術を統合し、Ambient Clinical Intelligence(ACI)の開発を図るという。具体的には、新しいこのテクノロジーは診察中の医師と患者の会話を「聞く」ことで、会話データを電子カルテのコンテキスト情報と併せ、自動的に患者の医療情報を更新することができる。Microsoftでヘルスケア戦略を担当するGreg Moore医師は「コンピュータは大抵の場合で、医師と患者間のやり取りやアイコンタクトの妨げとなり、両者の不満足な体験に繋がる」としている。ACIは医師による積極的な入力作業を要さない極めて静的なシステムであることから、医師は臨床現場でより患者にフォーカスすることができるようになる。 近年の研究では、プライマリケア医は「患者ケア1時間あたり2時間もの電子カルテ作業に追われている」との報告もあり、診療時間後にも書類作業にあたるなど、医療記録の入力作業自体が医師の燃え尽きを助長することが指摘されてきた。

XAIとは何か? – ブラックボックス化しない説明可能な医療AIを目指して

AIが指摘した病変部位や診断について、アルゴリズムの思考過程が説明できない、いわゆるブラックボックス化(過去記事)は常に論点になってきた。AIが出力した情報を補助し、判断根拠を説明するための技術全体を示す用語「XAI(エックスエーアイ): Explainable AI」が、米国国防高等研究計画局(DARPA)の主導するプロジェクトなどから派生し、浸透してきている。 米メディアForbesでは、医療分野特有といえるXAIが求められた背景や今後の方向性を解説している。そもそも医療以外の分野では開発した貴重なAI技術を企業秘密として保持することが許容され、ブラックボックス化を問題とする風潮が少ない。スマートスピーカーの返事に対して、どうしてそのような回答をしたのかと悩む消費者は少数だろう。ところが医学的判断では、その誤りが重大で不可逆的な結果となることを許容しにくい。そうして、医師やFDAなど規制当局が、説明不可能なAIを信頼することが難しくなる。さらには、開発されたAIアルゴリズムは、その後に臨床現場での妥当性の検証を経る必要があるため、末端のユーザーは説明不可能なAIの検証作業に協力できなくなる。 XAIに対する関心は高まり続けている。一方、どのような説明方法が適切か、知見の蓄積は不十分といえる。XAIという言葉をきっかけに、社会的な認知度が高まり意識が共有されることで、改善が進む側面も期待される。XAIは医療における主流なアルゴリズムとなる可能性があり、開発にあたるグループや企業にとっては大きなリソースを当てることがますます重要になるだろう。

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AIの研究利用 – 長期療養施設に関連した自殺者数調査

米ミシガン大学の研究チームは、自然言語処理の可能な機械学習アルゴリズムを利用し、長期療養施設への転居や居住、転出などに関連した高齢者の自殺者数を調査した。研究成果は、医学ジャーナルJAMA Network Openにて公開されている。 研究チームの論文によると、National Violent Death Reporting System(NVDRS)に13州で13年間に渡って集積された死亡データをもとに、機械学習アルゴリズムによって「長期療養施設に関連した自殺」の抽出を行ったという。55歳以上高齢者では1037件を同定し、これは施設コード単独を利用した従来の推計が過小評価していた可能性も示しているとのこと。 NVDRSは、自殺を含む暴力死の現状を評価し、防止策の立案を行うために2003年からCDCが開始したシステム。正確な現状分析にはデータ解析の観点から難があったが、自然言語処理および機械学習技術が有効利用できる余地が示されたことにもなり、今後の利用促進が期待されている。

ヘルスケアAIは15.7兆ドルの経済影響を及ぼす

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AIは人類と尿路結石との戦いを終結させるか?

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