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GE Healthcare 麻酔器のハッキングリスクを否定

GE Healthcareは、同社の麻酔器がハッカーによる攻撃対象となった場合も、患者に直接的なリスクが及ぶことはないことを明らかにした。サイバーセキュリティファームCyberMDXが昨年、GE Healthcareの麻酔器に深刻な脆弱性があることを指摘したことにより、調査を行なっていた。 Healthcare IT Newsが15日報じたところによると、GE Healthcareは「麻酔器自体に脆弱性はないが、デバイスをネットワークに接続することは一般的に推奨していない」としているという。CyberMDXのGEに対する通達では、GE AestivaおよびGE Aspire 7100/7900において、ハッカーが麻酔薬量やアラーム設定などを遠隔操作できる可能性を指摘していた。 医療におけるAIおよびIoT技術の発達は、クラウドを含むネットワーク連携が一層加速することも意味しており、臨床現場におけるハッキングリスクは過去に例をみない高まりを示す。英国の王立麻酔科医協会(Royal College of Anaesthetists)は公式見解として「当該デバイスの利用に際してパニックとなる理由は何もない」とし、万一不測の事態となっても麻酔科医の対応でカバーできる程度の問題であることを強調している。

熱傷(やけど)でダメージを負った腎臓をAIが超早期に判断する

熱傷による水分バランスや血中老廃物の異常から腎臓が急に機能しなくなる、いわゆる急性腎障害は、致死率80%ともいわれる危険な状態である。救命には一刻も早い診断が必要だが、これまでの尿量や血中クレアチニンのようなバイオマーカー測定には改善の余地があった。機械学習モデルで新しいバイオマーカーを解釈し、急性腎障害の診断までの時間を大幅に短縮する研究が2019年6月に学術誌Burnsに発表された。 Medical Xpressによると、米UCデイビスメディカルセンターのグループが、尿中の好中球ゼラチナーゼ結合性リポカリン(NGAL)という新しいバイオマーカーに着目した機械学習モデルを作った。これまでのバイオマーカーでは平均42.7時間かかっていた診断を、18.8時間にまで短くできたという。さらに診断精度の向上も達成しており、これまで測定値の解釈が難しいとされてきたNGALの弱点をカバーする大きな成果を達成した。 AIによる急性腎障害の超早期診断は、熱傷が起きやすい戦争での死傷者に応用が期待されている。急性腎障害を前線の施設で管理するのは難しく、早期に診断されれば、後方の高度医療機関へ適切な搬送ができるようになる。この流れは民間でも同じである。これまで専門的で解釈が難しいとされてきたさまざまなバイオマーカーに活躍の場面が与えられるようになったのは、機械学習の全盛期ならではの現象といえるだろう。

Apple Watchから電子カルテへの記入を実現するAI技術

電子カルテへの適切な情報入力は、現代の医師にとって最も時間を割く作業のひとつである。医師がApple Watchに話しかけるだけで文書を聞き取り、キーワードから適切な箇所にカルテ入力を行うAI技術が実現している。 Austin Regional Medical Clinicは、米テキサスで47万5千人を超える地域住民にヘルスケアを提供する医療グループである。Healthcare IT Newsの報道によると、同グループはNotable Healthの開発したカルテ入力補助システムを利用することで、医師1名あたり1日1-2時間程度、医療文章の作成時間を短縮することができたという。同システムには自然言語処理の可能なAIアルゴリズムが実装され、患者との会話中やその前後に、医師が装着するApple Watchから患者情報の識別とカルテ入力を行うことができる。 電子カルテは各社が独自フォーマットを持ち、その記述形式も様々だが、Notable Healthが提供するシステムでは、高い汎用性から既存の電子カルテシステムにシームレスな導入を実現しているとのこと。医師の事務作業時間を短縮し、本来的な患者治療に向き合う時間を増やすことは、新技術の有効かつ妥当な利用方法として期待が大きい。

Mindshare Medical 肺がん診断AIでCEマーク認証を取得

Mindshare Medical社は12日、同社の肺がん診断AIシステム「RevealAI-Lung」が欧州におけるCEマークの認証を取得したことを公表した。CTスキャン画像から肺がん診断を行うAIプラットフォームとしては、同製品が最初の認証取得となる。 Mindshare Medicalのプレスリリースによると、RevealAI-Lungの活用により、画像読影における偽陽性の低減と読影時間の短縮が実現できるとしている。これは生検を含む不要な追加検査を避けることにも繋がり、患者にとって負担の大きい「侵襲的検査」の回避と医療費の健全化に資する可能性がある。 欧州において肺がんは男女の主たる死亡原因であり、2017年には37万6千人が命を落としている。これは全がん死亡の20%を占めており、肺がんの正診率向上と一連の検査・診断の効率化は極めてインパクトが大きい。Mindshare Medical CEOのMichael Calhoun氏は「我々の製品がヘルスケア全体に利益をもたらせることを楽しみにしている」と、今後の市場展開に大きな期待を示している。

医療過疎地の住民をAIが救う – iFlytekとJF Healthcare 中国農村部での取り組み

都市部と地方での医療の差は万国共通の課題である。人やお金について簡単に埋めることのできない資源の差を、技術で解決しようとする取り組みが世界各地にある。急速な経済発展をみせる中国だからこそ、農村部の医療過疎と格差についての問題意識は強く、遠隔医療がひとつの解決策と考えられている。 China Dailyが2019年7月10日に報じたのは、中国農村部の医療過疎を救うAI技術についての特集である。中国で音声認識技術などを代表するAI大手企業としてiFlytekは知られているが、医療分野への進出も注目されている。同社のAI『Xiaoyi』は、2017年に中国国内で医師向けの適格試験に挑戦し、オフライン環境で合格点を記録して注目を浴びた。そのヘルスケア部門iFlytek Healthが開発した医療アシスタントAIは農村部を中心に配置され、2019年3月までに1200の施設で使用、150万人以上の診断補助を行った。「草の根(grassroots)医師たちの診療時間の短縮、正診率の向上に大きな助けとなっている」と同社のCEOであるTao Xiaodong氏は語っている。 例えば、X線検査機器を導入した農村部の自治体で、それを診断と治療にまで結びつけられる医師がいないことは、近年でも中国では珍しくはなかった。JF Healthcareは、AIと遠隔通信によるオンライン医療サービスを12の省・自治区で1019の施設に提供し、2000万人以上の住民をカバーしている。X線画像は、AIの診断補助を受け、クラウドへのアップロードから10分で専門的な評価がもらえる。草の根医師たちにとってはレポートで自身の診療レベルを向上させる効果もあるという。ある意味では環境が作り上げたとも言える中国の遠隔医療に対する強い取り組みであるが、いまだ方向性がつかみきれていない印象がある日本の遠隔医療と、今後どのように比較されていくだろうか。

米マウントサイナイ医科大学 新しい人工知能研究センターの設立を公表

ニューヨーク・マンハッタンに所在するマウントサイナイ医科大学は、新しい人工知能研究センターを2021年に開設することを公表した。現在の医療革新の中核にある「AI」という世界的トレンドを追うもので、大規模病院を有しながら積極的なイノベーションを推進する同大の新しい目玉として注目を集める。 マウントサイナイ医科大学が11日公表したところによると、新しい研究センターでは、ゲノミクス・疾患モデリング・画像技術・新治療などに重点を置いたAI開発を進め、臨床試験におけるAI導入促進を図る。マウントサイナイ・ヘルスシステムのKenneth L. Davis医師(同CEO)は「AIにはヘルスケアを激変させる潜在能力があり、我々はこれを洗練させ、先導する立場を取りたい」と野心を隠さない。 2019年、世界でAIシステムに投じられる資金は358億ドルにのぼるとされ、これは2018年総額の44%増加にあたる(International Data Corporationより)。医療はAI活用余地の大きい巨大産業のひとつで、開発競争は日々熾烈さを増しているが、大学組織であってもこの例外ではない。

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