Zebra Medical Vision 気胸診断AIのFDA承認を取得

高い医療画像解析技術によって大きな注目を集めるイスラエルのスタートアップ・Zebra Medical Visionは昨日、胸部レントゲン写真から気胸の存在を警告できるAIシステムに関し、米食品医薬品局(FDA)からの承認を受けたことを公表した。 医工学系メディア・FierceBiotechの報道によると、同アルゴリズムは数百万に及ぶ胸部レントゲン画像を利用して構築されており、医師は従来より80%以上早く、自信を持った診断にたどり着けるとしている。Zebra Medical VisionのCEO・Eyal Gura氏は「我々の製品に重要な付加価値を与えられ、多忙な放射線部門への助けともなれることを嬉しく思う」とコメントしている。 特に急性期の現場など、時間的制約のあるなかでの胸部レントゲン読影には大きなストレスが伴う。同メディアによると、実際米国では、気胸の誤診・診断の遅れによって年間74000人が影響を受けているとし、熟練の放射線科医においても利用価値が高いことを指摘している。

Samsung 欧州放射線学会にAI画像診断装置を展示

Samsung Electronicsは、オーストリアで開催された欧州放射線学会2019(ECR 2019)において、AIを利用した画像診断装置など独自技術の展示・公開を行った。ECRは、放射線科領域における主要国際学会の1つで、先端研究とその知見が幅広く紹介されているが、近年AI関連研究の増加が顕著となっている。 Samsungの公表によると、公開したAI画像診断装置には、小児を対象とした低被曝線量のレントゲン撮像機などが含まれているという。Samsung Medison・CEOのDongsoo Jun氏は「SamsungのAI技術が既存の画像診断機器に応用され、これが市場に受け入れられていることを嬉しく思う。速く、簡便で、正確な診断技術をこれからも求めていく」と話す。 ヘルスケア産業は市場規模が圧倒的に大きく、近年のAI技術向上に伴って、大小を問わず企業の新規参入が急増している。なかでも画像診断領域はヘルスケアAIの花形となっており、ECRにおいてもAIを大きなトピックの1つとして取り上げ、大きな注目を集めていた。

中国の大手健康管理機関 AIの導入を検討

中国の大手健康管理機関iKang Healcare Groupは、近年緩やかになってきているものの、これまで健康管理ビジネスにおける人工知能活用への投資を着々と進めてきた。 「今、iKangのビジネスは重要なターニングポイントにあり、医療系AIとの提携を積極的に進めている」と創業者兼CEOの張黎(チャン・リー)は述べている。 iKangだけでなく、中国でAIを導入する医療機関は増加しており、2018年の医療AI市場は200億元(約3300億円)に達するという。中国経営網によると、iKangはいくつかの医療系AI企業の力を借りて、網膜の映像分析・腫瘍のスクリーニング・病気の管理など、様々な分野でAIによるサービスの向上を狙う予定だ。例えば、Airdoc社が開発したAIによる網膜映像分析システムは、網膜の写真から30以上の病気を判定できるもので、緑内障など目にまつわる疾患だけでなく、高血圧や糖尿病などの症状の判別にも有用だという。このほか、iKangはアリババ傘下のAlibaba Healthとも協力する姿勢で動き出しており、共にET医療での可能性を模索している。 AIに投資する背景には、深刻な人材不足があると張は嘆く。中国では人口1,000人あたりの医師数が2人に満たないのに対して、アメリカでは2.7人、ドイツやスイスでは3.3人にも達するという。医療や健康領域におけるAIの応用範囲は非常に広く、医師が適切にAIを活用することで人手不足の難題が少しでも解決されればと、中華医学会健康管理学会の主任孫磊(ソン・レイ)は期待を示している。

NVIDIAはなぜヘルスケアに向かうのか

グラフィックス処理を得意とし、GPU開発に特化したハードウェアメーカーとして知られるNVIDIAは、近年、AIコンピューティングにおいてその存在感を高めているが、特に医療分野におけるAI活用が目覚ましい。プロジェクトClaraと呼ばれるAIを活用した画像診断技術への取り組みが記憶に新しいが、なぜNVIDIAはヘルスケア分野の開拓に力を入れるのか。 AIMedが行ったNVIDIAヘルスケア部門の担当者Craig Rhodes氏へのインタビューでは、「我々が取り扱ってきたGPUの進化は、医療における画像解析を直接的に向上させるもので、(NVIDIAがヘルスケアに参入するのは)とても自然なことだ」と述べている。また、これまで別個に扱われてきた病理画像、ゲノム情報、臨床情報などを、AIによって一まとめにに解析することで、新しい情報を医療者に提供できるようになるとしている。 NVIDIAはInception Programを通じ、ヘルスケアベンチャーへの積極的な支援と連携を進めることでも医療分野における地位の確立を推進している。MedCityNewsによると、NVIDIAのヘルスケア部門Kimberly Powell氏は、現在の医用画像研究の約半数が深層学習を用いて行われていることに触れ、「AIが診断技術の向上に変革をもたらす余地が大きい」とした上で、NVIDIAがその中核を担うことへの大きな野心を示している。

オックスフォード大学の研究グループ 製薬企業との連携でAIを用いた医学研究

スイス発の国際的な製薬企業 Novartis社は、オックスフォード大学と共同で、AIを用いた創薬・病理学の研究を行うことを発表した。この共同研究は5年間の有期契約で、主に複雑な病気に関する取り組みを行う予定だという。 PharmaTimesによると、今回の研究では、特定の病気の臨床データをAIによって分析し、今まで研究者が見つけ出せなかった性質を予測するという。また、Novartis社の今までの臨床研究の経験を生かし、プライバシーを保護した上で500万人もの患者から記録された臨床データを使用することができ、より高い精度での分析が可能になる。また、今回の研究に参加するオックスフォード大学ビッグデータ研究機関のGil McVean氏は、両研究機関の協力によって、これまでにないほど大量で質の良い臨床データを得ることができ、良質な分析が可能になるだろうと述べており、研究成果に期待が集まっている。 また、Novertis社によると、多様な形式のデータをいかにひとつの病気に適応させるかというのも、今回の研究において非常に重要なポイントになるという。一般的に機械学習に用いるデータの量が大きくなれば、その分析の精度も高まる可能性が大きいと言われており、この課題を克服できれば、非常に質の高い研究成果が得られるとだろう。

韓国JLK Inspection AIによる広範な画像診断システムを公開

韓国のJLK Inspectionは、AI技術を利用し、種々の医用画像から疾患診断を行うことのできる新しいプラットフォームを公開した。このプラットフォームでは、特定の医用画像に限定せず、MRI・CT・単純レントゲン・マンモグラフィなどを使い、14の部位から30を超える疾患を正確に捉えることができる。 医療機器メディアMassDeviceの報道では、このプラットフォームの利用により、脳梗塞・脳出血・脳動脈瘤・アルツハイマー病・肺癌・前立腺癌・乳癌・冠動脈疾患など、各部位において誤診が致命的となり得る重要な疾患を容易に見つけることができるという。JLK InspectionのWon Tae Kim CEOは「利用者は簡便にシステムを利用することができる。深層学習によるこのテクノロジーは、すべての患者に大きな利益となるだろう」としている。 放射線科領域、特に画像診断におけるAI活用は急速に進んでいるが、同一プラットフォームで多くの画像種を扱えるシステムは珍しく、日常臨床における実用性は高い。米メディアPR Newswireによると、JLK Inspectionは国際展開を睨んだマーケティングを着実に進めており、すでにシリコンバレーにも事業所を設置しているという。

外科医の手の動きから手術手技を識別するAI

米ウィスコンシン大学マディソン校の研究チームは、機械学習を利用し、外科医の手の動きから手術手技(縫合・結紮など)を識別するアルゴリズムを構築した。研究成果は学術誌・Human Factorsにて、23日公開された。 研究チームの論文によると、37名の外科医協力のもと、卓上のシミュレータを利用した外科基本手技の動画撮影を行ったという。2秒ごとに外科手技の分類を行う機械学習アルゴリズムを構築したところ、79%と比較的高い精度での分類に成功したとのこと。 現時点では、このアルゴリズムが臨床上有用な何らかの役割を果たすとは考えにくい。ただし一方で、シンプルで無駄のない動きを再現させるような外科手技習得サポート、定量評価の難しかった外科手技の評価尺度など、主に外科医に対する基礎教育面への技術発展が期待される。

AI活用し、より少ない情報でも乳がんを発見可能に

米国グーグルの持株会社であるアルファベット(Alphabet)のCFO(最高財務責任者) Ruth Porat氏は、アルファベットが誇るAI(人工知能)を活用することで、より限られた情報でも、転移性乳がんの発見を可能にするブレイクスルー(科学技術などが飛躍的な進歩を遂げること)が実現したことを語った。 CNBCが報じたところによると、Porat氏は、1月22日にスイス・ダボスで開催された世界経済フォーラムの年次総会内で、AIを活用することで、たとえ少ないデータしか使えなくても、目覚ましい成果を上げることはできると語ったという。AIは、タスク(果たすべき作業)を達成するために、すでに処理した情報を活用することで、一連のパターンを学習するからである。 グーグルが2018年10月に開発したAIは、実に99%の精度で転移性乳がんの有無を判断できたという。このAIは、医療診断の現場において実用可能だと考えられる。そうなれば、医師もより複雑な知識・技術を得ることに時間を充てられるようになるだろう。

米ジョージア工科大学 がん患者の生活を個別サポートするAIアプリを開発

米ジョージア工科大学の研究チームは、AI技術を利用し、がん患者の生活を個別にサポートするタブレット用アプリを開発した。MyPathと名付けられたこのアプリは、手術日程のリマインドや利用できる保険の紹介だけでなく、患者の精神状態や副作用の発現状況に応じて、適切な情報提供や解決策の提案を行うことができる。 大学の先端研究を紹介するメディア・Futurityの報道によると、このアプリは、患者ごとの診断や治療計画に準じて内容が調整されるほか、定期的な質問に回答することで症状経過やニーズの変化も細かく捉え、適切な情報を継続的に提供できるという。開発を主導するElizabeth Mynatt教授は「このアプリを利用する患者は"私の必要なことを魔法のように知っている"と驚きを持ってその体験を語ってくれる」と話す。 インターネットによる情報収集が一般化し、患者は自身の疾患に対する治療オプションや予後について、独自に詳細な知識を得ることができる。一方で、がん治療は特に専門性が高く状況に応じて個別化されるため、患者側の誤った認識に基づくミスコミュニケーションも生まれやすくなっている。ジョージア工科大学によると、研究チームは、今後対象疾患や提供情報の幅を広げ、利用者を増やしていきたいとしている。
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薬物の有害事象を抽出する新しい深層学習アプローチ

米国テキサス大学と中国大連理工大学の研究チームは、自然言語で記述された臨床文書から薬物の有害事象発現を捉える、新しい深層学習アプローチを開発した。 学術誌・Journal of the American Medical Informatics Associationにて28日公開された論文抄録によると、チームは、固有表現抽出(Named Entity Recognition)と関連分類(Relation Classification)の2コンポーネントからなる新しいシステムを開発したとのこと。それぞれに深層学習モデルを持ち込んだところ、薬物有害事象発現の抽出精度は、古典的な機械学習アプローチを大幅に上回っていたという。 特に罹患疾患数が増え、多数の内服薬を抱える高齢者などにおいては元来の症状も多様であることから、薬物ごとの有害事象の発現を正確に把握することは簡単ではない。電子カルテの基本機能として、有害薬物反応を自動抽出・アラートしてくれるシステムの実現は、臨床医にとっても大きな助けとなるに違いない。

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AIによって量子学的な視点からの創薬研究

創薬研究を行うC4X 社と、AIを用いた化学研究を行っているGTN社が、共同でAIを利用した創薬研究を行うことを発表した。この共同研究では、分子の形状を基盤とした創薬研究を発展させ、神経疾患の治療薬になり得る化合物を発見することが目標とされている。 The Business Deskによると、C4X社は、分子の形状などの性質を正確に調べることができる「Conformetrix」という独自の技術を持っている。これに対し、GTN社は深層学習を取り入れ、量子力学的な視点で分子を分析することができるAI技術を持っており、従来の化学では予測できない分子の性質まで調べることができるという。今回の共同研究では、C4X社が提供した正確なデータをGTN社のAIによって分析することで、パーキンソン病やアルツハイマー病をはじめとした神経細胞の構造に問題のある病気の治療薬開発を目指すという。 近年のAI創薬は、単独の企業で行うものだけでなく、2社以上が互いの長所を生かして共同で行うものが多くなってきている。Pharma Timesによると、GTN社のCEOであるNoor Shaker氏は、GTN社の量子力学的な視点による研究技術とC4X社による正確な分子の構造決定は、非常に良いコンビネーションになり、革新的な医薬品を生み出すことができるだろうと述べた。

新生児の脳画像から認知機能発達を予測するAIアルゴリズム

米ノースカロライナ大学の研究チームは、新生児の脳MRI画像から、2歳時点における認知機能発達を95%の精度で予測する機械学習アルゴリズムを開発した。認知機能の発達不良リスクを早期に捉え、適切な介入を実現する手段として注目を集めている。 HealthCare Businessの報道によると、研究チームは、脳の中枢神経組織のうち神経繊維が特に集積する領域である脳白質に注目し、この構造と認知機能発達の関連をアルゴリズムによって導いたという。研究を率いたJohn H. Gilmore医師は「ごく早期、特に出生後1年以内での早期介入を実現することは、認知機能予後を大きく改善する可能性がある」と話す。 これまで新生児の認知機能発達を正確に予測する手法は開発されておらず、新しい画像バイオマーカーとしての有用性を秘める。今後、対象集団を変えても同等の結果が維持されるか、各方面からの追試も期待されている。

Google 肺がんの高精度スクリーニングAIをNatureにて公開

Googleを中心とした研究チームは、低線量CT画像から高精度に肺がんを識別できるAIアルゴリズムを開発し、学術誌・Nature Medicineにて発表した。同誌は医学界で最も権威ある学術誌のひとつで、公表論文は公開直後から多くのアクセスを集めている。 先週Nature Medicineで公開されたレター論文によると、研究チームは、より放射線被曝の少ない低線量CT画像を利用し、過去と現在の胸部画像から肺がんを識別する機械学習モデルを構築したという。AUC94%と高い精度を示すとともに、検証に参加した6名の放射線科専門医の診断精度をも上回っていたとのこと。 米国において肺がんは、臓器別がん死亡で最も頻度が高い。低線量CTによる肺がんスクリーニングは、その高い有効性から米国での主要ガイドラインにも取り込まれている。一方、早期の微細変化を正確に捉えることは容易でなく、AIによる肺がんスクリーニングの補助・オートメーション化への期待は大きかった。

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