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脳画像から肥満化を予測できるか?
青年期の肥満は、成人期の心血管疾患リスクとして知られている。韓国・ソンギュングァン大学校の研究チームは、AI技術を利用し、青年期の脳画像から肥満化を予測する取り組みを行っている。
学術誌・Brain Imaging and Behaviorに掲載された論文抄録によると、青年期の対象者76名の安静時fMRIから、縦断記録されたBMI値の推移を予測するアルゴリズムを構築したという。大脳皮質表面の性状や皮質下容量などを、部位ごとにバイオマーカーとして設定し、BMIに対する予測能を検討した。これらバイオマーカーは、1-2年後のBMI値を高い正確性で予測していたほか、摂食障害や不安・うつのスコアとも関連していたとのこと。
肥満は食事・運動などの生活習慣に起因するのみでなく、精神疾患を中心とした背景疾患との関わりも指摘されている。青年期肥満の有効な予防策の策定には、生活習慣評価のみならず精神疾患リスクを含めた客観評価を実現し得る点でも、脳バイオマーカーの有用性が今後広がりをみせるのかもしれない。
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医療AIが4000万ドルのコスト削減をもたらした一例
米フロリダ州に所在するタンパ総合病院は、地域中核病院としての臨床機能と学術機関としての研究機能を高度に備えた米国主要病院の一つである。同院はGEヘルスケアのAIテクノロジー群を導入した2018年以降、医療システムの非効率を避けることで、実に4000万ドルものコスト削減に成功しているという。
Health Leadersが9日報じたところによると、このAIシステムは過剰な外来通院・入院患者数を劇的に改善し、平均入院日数は導入前の6日から5.5日に短縮されたとのこと。また、タンパ総合病院は外傷治療で名を馳せるが、システムによって外傷センターを最大収容人数で運用することを可能とし、結果的にICUへの入院を25%減少させた。これらの改善は30もの病床追加に相当するという。
タンパ総合病院のCEOであるJohn Couris氏は「問題を解決するには、建物を新たに建てるか、容量を増やすかと考えてしまいがちだが、私たちは異なる考え方を取り入れた。つまり、今あるものをより良くするにはどうすべきかということだ」とし、医療AIによるワークフローの効率化は、大規模な資本投下を必要としない「医療提供体制の抜本的改革」となり得る事実を指摘する。
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Medical EarlySign – 英NHSの大規模ヘルスケアプロバイダーにAIプラットフォームを導入
英国民保健サービス(NHS)における最大規模のヘルスケアプロバイダーの1つであるBarts Healthは、イスラエルに本拠を置く医療AI企業・Medical EarlySignと提携し、同社が誇るAIプラットフォームを日常臨床に取り込んでいる。
Medical EarlySignによる24日付ニュースリリースによると、Barts Healthに導入済みのColonFlagプラットフォームでは、日常的に収集される臨床データから大腸がんの発症リスクが高い個人を予測し、順位付けすることで医療者に早期介入を促すことができる。Barts HealthのFinbarr Cotter教授は「COVID-19のパンデミックは、多くの患者が通常の治療と疾患スクリーニングを別個に待ち続けるという困難な状況を生み出した」とし、AIによる日常的な自動スクリーニングは、医療者・患者双方にとって意義が大きいことを強調する。
Barts Healthグループはイーストロンドン近郊に5つの病院を展開し、250万人に医療サービスを提供する。ColonFlagは両者のパートナーシップの初期段階にあるもので、他のAIソリューションの順次導入を予定しており、スクリーニングの対象疾患を拡張していくことを明らかにした。