新研究 – メラノーマの組織診断でAIが病理医を上回る

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ドイツがん研究センター(German Cancer Research Center)のチームは、皮膚組織からのメラノーマ(悪性黒色腫)診断において、深層学習アルゴリズムが病理専門医の診断精度を上回ったことを示した。研究成果はEuropean Journal of Cancerに収載されている。

チームの研究論文によると、ヘマトキシリン・エオジン染色を行った595の組織標本から畳み込みニューラルネットワークを利用し、メラノーマを識別するAIアルゴリズムを構築したという。追加に用意した100の標本において、11名の病理専門医と診断精度を比較したところ、AIアルゴリズムが感度・特異度・正確度からなる総合評価において、病理専門医を上回っていることが確認された。

近年の研究から、特にメラノーマの組織診断は難度が高く、熟練した専門医の間においても診断の不一致が25%程度にみられることが明らかとなっている。今回の研究成果はあくまで限定的な医師数においての評価だが、AIによる安定した診断精度が病理診断の大きな助けとなる可能性は非常に高いだろう。

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TOKYO analytica
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1. M.Okamoto MD, MPH, MSc
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。専門はメディカルデータサイエンス。ロンドンでのベンチャーエンジニアを経て、英国内の大学で医療データベース研究に従事。

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防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。