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脳の蛍光染色画像におけるアストロサイト自動検出AI

トルコ・米の共同研究チームは、脳組織の蛍光染色画像において、グリア細胞の1つである「アストロサイト」を自動検出・セグメンテーションするための深層学習フレームワークを開発した。全てのコードはオープンソースとしてリリースされ、科学コミュニティが自由に利用できるとする。

20日、学術誌Scientific Reportsに掲載された同論文によると、アストロサイト画像を効率的に処理し、複雑な形態学的特徴を定量するための正確なフレームワークを構築したという。これにはマルチスケール方向フィルタに基づく革新的な細胞検出モジュールと、深層学習・スパース表現の活用によりトレーニングデータの必要量を減らしたセグメンテーションルーチンなどが含まれる。

アストロサイトは複雑な星型形状を持つグリア細胞のサブタイプで、過去10年間の多くの研究によって「アストロサイトが基本的な脳プロセスにおいて非常にアクティブな役割を果たしている」ことが明らかとされた。近年では、脳障害や神経損傷を治療するための有望なターゲットとして、アストロサイトへの関心は劇的に高まっている。一方で、アストロサイトの顕微画像における自動解析は、サイズと形態の大きなばらつき・複雑なトポロジ・高度にもつれた細胞ネットワーク、などのためにこれまで特に困難とされてきた。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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