新研究 – 4D MRIへの画像再構成を超高速化するAI技術

スイス・チューリッヒ工科大学などの研究チームはAIを利用し、心臓の血流評価に用いられる4D flow MRIへの画像再構成を高速化することに成功した。研究成果は学術ジャーナルNature Machine Intelligenceにおいて、13日公開された。

研究グループの論文によると、今回開発された深層学習アルゴリズムでは、患者のMRI撮像中から準リアルタイムな血流評価を実現するほどの高速化を達成したという。これは、これまでMRIの撮像後、4Dへの画像再構成に要した20-30分といった処理時間を大幅に短縮するもので、検査の効率化に加え画像評価に伴う臨床判断への大きな助けとなる。

今回開発されたFlowVNと呼ばれる深層学習アルゴリズムでは、少ないパラメータで効率良く学習することも特徴とし、現にニューラルネットワークの訓練に利用したのはたった11例のMRIスキャン画像であるという。医療の質的向上に直接貢献するこの新技術には、今後の発展・実用化への期待が大きい。

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TOKYO analytica
TOKYO analyticaは、データサイエンスと臨床医学への深い造詣を武器とし、健康に関するあらゆるモノ・コトのエビデンス構築・普及をお手伝いするメディカルコンサルティングプロジェクトです。
The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc, PhD
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcherを経て東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。