変形性関節症を発症3年前に予測する機械学習モデル

変形性関節症(Osteoarthritis: OA)は、軟骨の破壊や劣化により痛みを伴う関節炎や関節の変形をきたす疾患である。骨の損傷は不可逆的な段階まで進行して発見されることが多く、人工関節置換の手術などでOAは米国の医療システムに年間165億ドルの負担となっているという。

ピッツバーグ大学医学部とカーネギーメロン大学工学部の研究グループは「MRI画像による軟骨の3Dモデル構成に機械学習を応用し、発症前のOA発見を可能にする研究」を米国科学アカデミー紀要(PNAS)に発表した。同研究では膝関節OAのMRI画像で訓練された機械学習モデルによって、発症や骨損傷の3年前に78%の精度で将来のOA進行を予測できた。

OA発症前のまだ可逆的な段階で患者を検出できるようになれば、将来的には手術を回避する予防措置が可能となるかもしれない。患者の予後と医療コストに大きな負担を強いるOAの臨床風景が変化する期待が持てる。

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TOKYO analytica
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The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc, PhD
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員を経て、東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。