悪性新生物(がん)における腫瘍塊は不均一であることが多い。分子的アプローチによる腫瘍の適切な分類は、個別化された効果的な治療の重要なポイントとなる。乳がんは特に高レベルの不均一性が観察されており、バイオインフォマティクスによる「乳がん分子サブタイプ」の検出は、近年多くの研究者を駆り立てている。
テヘランに所在するシャヒードベヘシュティ大学の研究チームは、腫瘍の体細胞突然変異プロファイルを使用した乳がんのサブタイプ分類に成功した。Frontiers in Geneticsに掲載されたチームの研究論文によると、特徴表現の学習とクラスタリングを同時に行うことができるDeep Embedded Clusteringを使用し、乳がんを4つのサブタイプに分類したという。研究では、発見されたサブタイプに対する教師あり学習によって有効な分類器も導いており、新規患者における分子サブタイプの予測までを実現している。
当該手法に係るコードと資料はGitHub上から入手できる(https://github.com/nrohani/MolecularSubtypes)。また関連研究としては、乳がんサブタイプをMRI画像から分類する取り組みが米デューク大学で進められており、過去に本メディアでも紹介しているのでこちらも参照して頂きたい(過去記事)。