Deep Clusteringによる乳がん分子サブタイプの分類

悪性新生物(がん)における腫瘍塊は不均一であることが多い。分子的アプローチによる腫瘍の適切な分類は、個別化された効果的な治療の重要なポイントとなる。乳がんは特に高レベルの不均一性が観察されており、バイオインフォマティクスによる「乳がん分子サブタイプ」の検出は、近年多くの研究者を駆り立てている。

テヘランに所在するシャヒードベヘシュティ大学の研究チームは、腫瘍の体細胞突然変異プロファイルを使用した乳がんのサブタイプ分類に成功した。Frontiers in Geneticsに掲載されたチームの研究論文によると、特徴表現の学習とクラスタリングを同時に行うことができるDeep Embedded Clusteringを使用し、乳がんを4つのサブタイプに分類したという。研究では、発見されたサブタイプに対する教師あり学習によって有効な分類器も導いており、新規患者における分子サブタイプの予測までを実現している。

当該手法に係るコードと資料はGitHub上から入手できる(https://github.com/nrohani/MolecularSubtypes)。また関連研究としては、乳がんサブタイプをMRI画像から分類する取り組みが米デューク大学で進められており、過去に本メディアでも紹介しているのでこちらも参照して頂きたい(過去記事)。

前の記事「AI x バイオ」で医療を変革 – ネクスジェン株式会社代表インタビュー
次の記事COVID-19ワクチンに対する国民感情をSNSからAIで解析
TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。
The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc, PhD
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員を経て、SBI大学院大学客員准教授、東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。