体外受精(IVF)は不妊治療の1つで、取り出した卵子と精子から体外で受精卵を作り、これを子宮に移植するものだ。米ワシントン大学やノースウェスタン大学などの共同研究チームは、正常精子のpHからIVFの成功を予測する機械学習アルゴリズムを構築した。
Fertility and Sterilityからオンライン公開されているチームの研究論文によると、IVFを受ける男性で、精子に異常のみられない76名のデータからこのアルゴリズムを導いたという。ここではIVF成功予測のための主要な決定因子として、精子の細胞内pHを仮定している。精子pHおよび膜電位、臨床データから構築した勾配ブースティングによる機械学習アルゴリズムは、AUC 0.81、感度0.65、特異度0.80でIVFの成功を予測していたという。
研究チームは、臨床パラメータとともに精子pHなど受精能のマーカーを利用することで、IVFを受けている正常精子男性からの受精成功を予測できると結論づけている。生殖領域における機械学習手法の有用性にも言及しており、対象集団を拡張した研究継続とエビデンスの蓄積が期待されている。