医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例ëlarm - COVID-19発症前の感染疑いを警告するウェアラブルAIアプリ

ëlarm – COVID-19発症前の感染疑いを警告するウェアラブルAIアプリ

臨床症状が現れる前の無症候COVID-19感染パターンを特定するウェアラブルデバイスの例を以前に紹介した(過去記事Empatica社)。特定のデバイスにとらわれない「device agnostic」を謳い、Fitbit・Apple Watch・Galaxy Watchなど各種スマートデバイスから生体情報を収集し「発症3日前のウイルス感染を警告」することを目標としたAIアプリ「ëlarm」がニュージーランド拠点のAI企業Datamineからリリースされている。

Datamine社からPR Newswireに掲載されたニュースリリースによると、ëlarmは個人のベースラインとなる心拍数など生体データの変化をとらえ、AIによる解析でCOVID-19感染パターンを発症前に警告するシステムである。そのアラートは検査機器としての扱いではなく、医学的アドバイスを提供するものではないと注釈しながら、ユーザーの検査受診や行動自粛・自主隔離などを想定している。同システムの学術的背景の概要はwebページ上に掲載されている。

同アプリは2020年6月からニュージーランドでの稼働を開始し、現在世界各地でApp StoreおよびGoogle Playからアプリが入手可能となっている。7日間のフリートライアルを含み、1ヶ月あたり4.5 USドルのサブスクリプション方式で利用プランが提供されている。日本でもインストール可能であり、The Medical AI Times編集部でもApple Watch Series 5とiPhoneで実際のアプリ稼働を確認した(現在のところhealth levelはNormalと表示されている)。日本語へのローカライズはされておらず対応状況は個別に注意いただきたい。

TOKYO analytica
TOKYO analyticahttps://tokyoanalytica.com/
TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
RELATED ARTICLES

最新記事

注目の記事