アルベルト・ルートヴィヒ大学フライブルクはドイツ南西部に所在する国立大学である。同大学で職業特性や消費者心理を専門とする研究チームから、「PCのマウス操作をストレスチェック手段として活用する」というユニークな研究成果が公表されている。
Behavior Research Methodsから5日公開されたチームの研究論文によると、PCのマウス追跡によるストレス測定を実現するため、マウス使用データへの機械学習分析を行ったという。994名の研究参加者に対し、高ストレスまたは低ストレス下で4つのマウスタスクに取り組ませた。残念ながら、今回の研究デザインにおいては古典的統計アプローチ、機械学習アプローチのいずれでも、マウス操作とストレスレベルの間に明確で体系的な関係を明らかにすることはできなかった。
マウス追跡は、継続的な行動データを収集するためのシンプルで費用対効果の高い手法として知られ、特に心理学における認知プロセスの評価に利用されてきた。この潜在的適用性を拡張するチームの着想、および「ストレスがマウス使用に関与する感覚・運動に影響する」という研究仮説は斬新にして比較的妥当と思われる。チームは検証を継続する旨を明らかにしており、今後の進捗に期待したい。