ユニーク研究 – PCのマウス操作がストレスマーカーとなる可能性

アルベルト・ルートヴィヒ大学フライブルクはドイツ南西部に所在する国立大学である。同大学で職業特性や消費者心理を専門とする研究チームから、「PCのマウス操作をストレスチェック手段として活用する」というユニークな研究成果が公表されている。

Behavior Research Methodsから5日公開されたチームの研究論文によると、PCのマウス追跡によるストレス測定を実現するため、マウス使用データへの機械学習分析を行ったという。994名の研究参加者に対し、高ストレスまたは低ストレス下で4つのマウスタスクに取り組ませた。残念ながら、今回の研究デザインにおいては古典的統計アプローチ、機械学習アプローチのいずれでも、マウス操作とストレスレベルの間に明確で体系的な関係を明らかにすることはできなかった。

マウス追跡は、継続的な行動データを収集するためのシンプルで費用対効果の高い手法として知られ、特に心理学における認知プロセスの評価に利用されてきた。この潜在的適用性を拡張するチームの着想、および「ストレスがマウス使用に関与する感覚・運動に影響する」という研究仮説は斬新にして比較的妥当と思われる。チームは検証を継続する旨を明らかにしており、今後の進捗に期待したい。

前の記事AIと嘘つき教師 – 著名な公開データに多数のラベルエラー
次の記事AIでコロナワクチン接種への躊躇と戦う – 米病院グループ AdventHealth
TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。
The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc, PhD
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員を経て、SBI大学院大学客員准教授、東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。