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ソーシャルメディア利用と慢性炎症の関係

炎症は急性と慢性の2種に大別できる。外傷や感染に伴う急性炎症とは別に、慢性炎症はストレスや孤独、不適切な食事、運動不足、睡眠不足などで引き起こされることが知られ、心血管疾患、がん、糖尿病、メンタルヘルス問題との関連が指摘されている。米バッファロー大学の研究チームは、ソーシャルメディア利用(SMU: Social Media Use)と慢性炎症の関連に焦点を当てた研究を行っている。

Journal of Medical Internet Researchに発表された同研究では、若年成人が、FacebookやInstagram、Snapchat、X(旧Twitter)といった4つのソーシャルメディアプラットフォームを利用した5週間のスクリーンタイムを、SMUの客観的指標としてアプリで測定した。さらに、炎症レベルを血中のバイオマーカー「C反応性蛋白(CRP)」の変動で分析した。その結果、客観的SMUの増加とCRPレベルの上昇に正の相関があることが示されている。先行研究においてもSMUと炎症の関連は示唆されていたが、人々の記憶を頼りにした調査ではSMUを正確に捉えられず、正確な把握に限界があった。今回の研究では、スクリーンタイムアプリと血中バイオマーカーを用いたことで、より信頼性の高い研究デザインを実現した。

筆頭著者のDavid Lee博士は、「以前の研究では、SMUが炎症を引き起こしているのか、炎症がSMUを促進しているのか分からなかった。今回の研究により、SMUが炎症レベル上昇を予測すること、そして時間経過による因果の方向を確立できた」と述べている。現時点では、被験者における炎症レベル上昇が健康問題として顕在化していないものの、今後の研究により、ソーシャルメディア利用の潜在的な健康影響を深く理解することを、プロジェクトでは目標としている。

参照論文:

Social Media Use and Its Concurrent and Subsequent Relation to a Biological Marker of Inflammation: Short-Term Longitudinal Study

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