スイス・チューリッヒ工科大学などの研究チームはAIを利用し、心臓の血流評価に用いられる4D flow MRIへの画像再構成を高速化することに成功した。研究成果は学術ジャーナルNature Machine Intelligenceにおいて、13日公開された。
研究グループの論文によると、今回開発された深層学習アルゴリズムでは、患者のMRI撮像中から準リアルタイムな血流評価を実現するほどの高速化を達成したという。これは、これまでMRIの撮像後、4Dへの画像再構成に要した20-30分といった処理時間を大幅に短縮するもので、検査の効率化に加え画像評価に伴う臨床判断への大きな助けとなる。
今回開発されたFlowVNと呼ばれる深層学習アルゴリズムでは、少ないパラメータで効率良く学習することも特徴とし、現にニューラルネットワークの訓練に利用したのはたった11例のMRIスキャン画像であるという。医療の質的向上に直接貢献するこの新技術には、今後の発展・実用化への期待が大きい。