医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例肺がん疑いの結節をリスク分類するAI - 米ヴァンダービルト大学

肺がん疑いの結節をリスク分類するAI – 米ヴァンダービルト大学

CTスキャンで良悪性の鑑別が確定しにくい肺結節(IPNs: indeterminate pulmonary nodules)をどのように扱うか。経過観察で治療を遅らせる可能性と、侵襲的な治療後に良性と判明し結果として過剰診療となる可能性、いずれも悩ましい。米ヴァンダービルト大学のチームが学術誌American Journal of Respiratory and Critical Care Medicineに、AIアルゴリズムでIPNsを低リスクか高リスクに再分類する研究を発表している。

ヴァンダービルト大学のニュースリリースによると、同大学の研究チームは15693例の肺結節のデータセットからアルゴリズムを開発し、既存のリスク分類モデル(AUC 78.1-81.9%)よりも優位性(AUC 83.5-91.9%)を示した。

研究グループは再分類を行うディープラーニングアルゴリズムによって、不必要な侵襲的処置や診断の遅延を減少させる可能性を示唆している。IPNsの確定診断には時として2年かかるケースもあるといわれ、新研究は臨床医が直面してきたジレンマを解消する手助けとして期待される。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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