CTスキャンで良悪性の鑑別が確定しにくい肺結節(IPNs: indeterminate pulmonary nodules)をどのように扱うか。経過観察で治療を遅らせる可能性と、侵襲的な治療後に良性と判明し結果として過剰診療となる可能性、いずれも悩ましい。米ヴァンダービルト大学のチームが学術誌American Journal of Respiratory and Critical Care Medicineに、AIアルゴリズムでIPNsを低リスクか高リスクに再分類する研究を発表している。
ヴァンダービルト大学のニュースリリースによると、同大学の研究チームは15693例の肺結節のデータセットからアルゴリズムを開発し、既存のリスク分類モデル(AUC 78.1-81.9%)よりも優位性(AUC 83.5-91.9%)を示した。
研究グループは再分類を行うディープラーニングアルゴリズムによって、不必要な侵襲的処置や診断の遅延を減少させる可能性を示唆している。IPNsの確定診断には時として2年かかるケースもあるといわれ、新研究は臨床医が直面してきたジレンマを解消する手助けとして期待される。