スイス発の国際的な製薬企業 Novartis社は、オックスフォード大学と共同で、AIを用いた創薬・病理学の研究を行うことを発表した。この共同研究は5年間の有期契約で、主に複雑な病気に関する取り組みを行う予定だという。
PharmaTimesによると、今回の研究では、特定の病気の臨床データをAIによって分析し、今まで研究者が見つけ出せなかった性質を予測するという。また、Novartis社の今までの臨床研究の経験を生かし、プライバシーを保護した上で500万人もの患者から記録された臨床データを使用することができ、より高い精度での分析が可能になる。また、今回の研究に参加するオックスフォード大学ビッグデータ研究機関のGil McVean氏は、両研究機関の協力によって、これまでにないほど大量で質の良い臨床データを得ることができ、良質な分析が可能になるだろうと述べており、研究成果に期待が集まっている。
また、Novertis社によると、多様な形式のデータをいかにひとつの病気に適応させるかというのも、今回の研究において非常に重要なポイントになるという。一般的に機械学習に用いるデータの量が大きくなれば、その分析の精度も高まる可能性が大きいと言われており、この課題を克服できれば、非常に質の高い研究成果が得られるとだろう。