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AI関連医学は近年どのように変化してきたか?

AIと医学を結びつけるテーマに関して、技術開発はどのように質的変化したか。専門書籍、Googleの特許検索、AI関連学術誌、Pubmedデータベースなどから分析した研究を紹介する。

学術誌Chronic Diseases and Translational Medicine収載の論文は、78420編の研究を抽出し解析した。AIへの関心が指数関数的に成長していた曲線が2010年半ばに減速し、典型的なイノベーション曲線のS型を示し、開発が停滞または次の段階に入ったことが予測される。出版物で英語に続く言語は中国語・ドイツ語で、中国語はこの5年で減少し英語にシフトした。2010年前後に腫瘍学・がんの画像診断と遺伝子解析に急速に関心が高まったことがグラフ化されている。

MeSHタグ(Medical Subject Headings: 文献のキーワードとなる生命科学用語)を解析し、AIの臨床医学への応用を分類したは、近年のトレンドを端的かつ網羅的に把握するにあたり秀逸である。初期段階を過ぎつつある研究開発は、無償のオープンソースツールなどから実臨床現場での応用と検証へとシフトしてゆく。また、消費者の手元に医療用AIが実際に届くようになってきた流れは、Apple WatchなどFDA承認の製品が増えてきたことでも実感されつつある。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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