外科治療マネジメントにはスマフォアプリが有効か

手術前の準備やタイムスケジュールだけでなく、疾病管理上の術後注意点・服薬管理・受診予約・合併症管理など、個別の外科治療マネジメントはとかく複雑になりがちで、患者・医療者双方にとって大きなストレスとなる。今回、米国で実施されたスマフォアプリを利用した外科治療マネジメントの施行例を紹介する。

Healthcare IT Newsが先週報じたところによると、米医療系NPO・Providence St. Josephの複数の関連病院で行われた試験では、94%の患者が外科治療マネジメントアプリを「役に立った」と評価したという。Twistleと呼ばれるこのアプリでは、種々の管理上のアラートを適切なタイミングで伝えられるほか、詳細なスケジュール管理、容体チェック、コミュニケーション機能などを備え、医療者が患者ごとに必要な機能を構築して提供することができる。またこのアプリを利用した脊椎手術後の患者では、合併症の発症が16.5%抑えられたと報告している。

アプリを利用した治療マネジメントでは、個別化が容易になることや、在宅におけるリアルタイムでの積極管理を実現することを通して、予後改善・患者満足度向上・コスト削減などが期待できる。以前にはAIを利用した糖尿病管理ツールを紹介したが(過去記事)、今後同種のマネジメントアプリにはAIによるスクリーニング機能の実装が進み、特に術後の合併症管理はより洗練化していくことが予想される。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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