米メイヨークリニックの研究チームは、脊椎固定術後の退院先が自宅外になる、または予定外の再入院となるリスクを算出するAIアルゴリズムを開発した。追加の医療措置やリハビリが必要となる可能性を捉えており、治療方針や退院後計画など重要な医学的判断を支えるツールとして期待が集まる。
学術誌・Journal of Neurosurgeryにて公開された論文抄録によると、研究チームは、脊椎固定術を受けた約6万例に及ぶ症例データベースを利用し、「自宅以外の施設へ転院」または「退院後30日以内の予定外再入院」を予測するアルゴリズムを構築したという。7つの機械学習モデルを利用して精度を検討したところ、臨床上実用に堪える予測パフォーマンスが得られたとのこと。
脊椎固定術は整形外科領域で行われる一般的な治療で、脊椎の部分固定を行うことで神経の圧迫を解除するというもの。病状経過によって退院先が自宅以外となることも珍しくはないが、生じるコスト負担は多大で、医療経済的観点からも予測アルゴリズムの存在意義は大きい。関連研究としてハーバード大学からのものを過去に紹介しているので、こちらも参照して欲しい(過去記事)。