遺伝子発現データから薬剤性肝障害を正確に予測する深層学習モデル

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薬剤性肝障害の発生は深刻な副作用のひとつで、薬剤開発の失敗とみなされるケースや、市場からの撤退に繋がることも少なくない。遺伝子発現データベースを利用し、早期に薬剤性肝障害の発生を予測しようとする取り組みを紹介する。

今月12日、学術誌・Journal of Chemical Information and Modelingから公表された研究論文によると、ArrayExpressが収集した遺伝子発現データベースから、事前に薬剤性肝障害の発生を予測する深層学習モデルを構築したという。ランダムに選定された198のサンプルでは、97.1%と高い正確性を示していたとのこと。

ArrayExpressには、マイクロアレイ実験で得られた多量のデータが蓄積されており、遺伝子プロファイルの検索などだけでなく、生データの自由な利用までが可能となっている。深層学習技術との抱き合わせにより、今後も価値ある研究成果の誕生が期待されている。

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TOKYO analytica
TOKYO analyticaは、データサイエンスと臨床医学への深い造詣を武器とし、健康に関するあらゆるモノ・コトのエビデンス構築・普及をお手伝いするメディカルコンサルティングプロジェクトです。
The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。専門はメディカルデータサイエンス。ロンドンでのベンチャーエンジニアを経て、英国内の大学で医療データベース研究に従事。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。