顎矯正術の必要性を判断するAI

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顎変形症など、上下の噛み合わせが著しくずれている場合、歯列矯正術単独での改善は難しく、外科的顎矯正術の適応となることがある。ソウル国立大学の研究チームは、このような外科的治療の必要性を判断するAIアルゴリズムの開発に取り組んでいる。

学術誌The Journal of Craniofacial Surgeryに掲載されたチームの論文によると、160名の外科的顎矯正術を受けた患者と、156名の非外科的治療を受けた患者のデータを利用したという。ニューラルネットワークは、レントゲン画像所見など18の指標から外科的治療の必要性を識別する。最適モデルにおいては96%の正確性を持って、医師による実際の決定を支持したとのこと。

AIアルゴリズムによる治療方針策定は、原理的に無数の患者情報を取り込んだ判断さえ可能となるため、従来の判断基準を凌駕する治療予後を示すものを構築できる可能性がある。ただし、前向き研究を含めた精緻な検証が欠かせないことは言うまでもなく、その道のりは決して短くない。

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TOKYO analytica
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The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。専門はメディカルデータサイエンス。ロンドンでのベンチャーエンジニアを経て、英国内の大学で医療データベース研究に従事。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。