中国のIT研究・開発と人材育成を牽引する電子科技大学は、外傷性脳損傷患者の生命予後を予測する機械学習アルゴリズムを構築し、古典的な統計モデルとの精度比較を行っている。
チームが学術誌Journal of Critical Careに公表する研究論文によると、22の機械学習モデルと、オーソドックスな統計的回帰モデルであるロジスティック回帰モデルを利用し、重症の外傷性脳損傷患者の生存率予測における精度を比較した。ロジスティック回帰モデルにおけるAUCが83%であったのに対し、機械学習モデルにおいては86.3~94%とより高い精度を示した。他指標においても機械学習モデルの優位性がみられていた。
外傷性脳損傷の予後予測モデルには臨床利用可能なものが複数提唱されているが、機械学習アプローチによる新しい予後予測がより有効である可能性が示唆される。過去記事からも、機械学習モデルを活用した「高齢者の予後予測」、「乳がん患者の予後予測」なども紹介しているのでご覧頂きたい。