ノルウェーの研究チームは、大腸がんの組織切片画像に対する深層学習アルゴリズムの適用により、臨床的に有用な予後予測マーカーを開発した。
Medical Xpressが5日報じたところによると、研究チームは、ヘマトキシリン・エオジン染色後の組織切片をスキャンし、得られたデジタル画像から畳み込みニューラルネットワークのトレーニングを行ったという。導かれた大腸がんの予後予測マーカーは、独立した大規模な患者集団での検証により、既知の分子マーカーや形態学的予後マーカーとも有意に関連し、それらの精度を上回っていたとのこと。このマーカーでは、古典的なステージ分類をさらに詳細な予後グループに階層化しており、「低リスク群での不要な治療回避」と「集約治療を要する群の特定」を実現する。
オスロ大学病院がんクリニックでディレクターを務める研究担当者は「従来型の予後診断ツールは、区分けがあまりにも荒い」と指摘し、AIを利用したより正確な予後診断方法の開発によって、過剰医療と過少医療のいずれもを回避できる可能性があることを強調する。