AIによる新しい大腸がんマーカー

ノルウェーの研究チームは、大腸がんの組織切片画像に対する深層学習アルゴリズムの適用により、臨床的に有用な予後予測マーカーを開発した。

Medical Xpressが5日報じたところによると、研究チームは、ヘマトキシリン・エオジン染色後の組織切片をスキャンし、得られたデジタル画像から畳み込みニューラルネットワークのトレーニングを行ったという。導かれた大腸がんの予後予測マーカーは、独立した大規模な患者集団での検証により、既知の分子マーカーや形態学的予後マーカーとも有意に関連し、それらの精度を上回っていたとのこと。このマーカーでは、古典的なステージ分類をさらに詳細な予後グループに階層化しており、「低リスク群での不要な治療回避」と「集約治療を要する群の特定」を実現する。

オスロ大学病院がんクリニックでディレクターを務める研究担当者は「従来型の予後診断ツールは、区分けがあまりにも荒い」と指摘し、AIを利用したより正確な予後診断方法の開発によって、過剰医療と過少医療のいずれもを回避できる可能性があることを強調する。

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TOKYO analytica
TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。
The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc, PhD
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員を経て、東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。