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放射線医学分野におけるAI – 取り組むべき3つの課題

医療におけるAIの活用は急速に進むが、放射線医学、特に画像診断領域における適用は他領域に先駆けた展開を見せている。そういった中、放射線科医の観点から、AIの可能性を無駄にしないための方策が提言されている。

Canadian Association of Radiologists Journalに掲載された論文によると著者らは、放射線医学におけるAIの安定成長を念頭に3つの課題を指摘している。

1. 統合された医療データリポジトリの必要性 

適切にラベル付けされた、画像および臨床情報を網羅するデータセットが不足する。世界的にも匿名化された医療画像データセットは増えているが、患者属性や他の臨床情報に紐づけられた大規模なデータベース構築はまだ限られている。

2. プライバシーへの更なる配慮 

データセット設定のあらゆるステップで、個人情報の削除が求められる。現時点で同一地域内であってさえ、データストレージの手段は個々に大きく異なる。各センターのニュアンスに適応する「カスタマイズされたプライバシー保護」を実現するには、放射線科医と情報技術部門、データサイエンティストらの協調した取り組みが有効になる。

3. 透明性確保

医療者の多くは「自らが完全には理解していない技術」を懐疑的にみる。これは医療におけるAI実装が、グローバルレベルで直面する課題のひとつでもある。AIの意思決定プロセスを可能な限り透明化するとともに、独自アルゴリズムであっても、そのパフォーマンスを他の研究者が再現できるようにしておくことが重要となる。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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