新型コロナウイルスの感染拡大を抑制するための新しい生活様式が動き出している。非接触・無人・遠隔・消毒をキーワードとして、AIとロボットの実用化が急務となっている。存在感を示す中国開発のロボットについては以前にも紹介した(過去記事)。COVID-19対策において、日本の国産ロボットは激化する競争を制して普及できるだろうか。
日本のロボットベンチャー企業 ZMPでは、無人警備ロボット「PATORO(パトロ)」への消毒液散布機能の搭載を4月10日に発表している(同社ニュースリリース)。また、物流支援ロボット「CarriRoシリーズ」による作業の無人化・遠隔化機能拡充が注目されており、新型コロナウイルス感染症の軽症者等の宿泊療養施設へのロボット提供も想定する(同社ニュースリリース)。ZMP社以外でも、感染流行前に話題となっていた自動運転技術から舵を切ったような開発例が相次いでいる。
自走型無人ロボットは感染症対策として一定の有効性を示すであろうが、その費用対効果については検討の余地がある。量産化と低コスト化で優位性を示す中国製ロボットに対して、日本の国産ロボットはどのようなかたちで期待に応えられるか。感染の拡大も小康状態となった今こそ真のニーズを振り返り、ロボットと共存する安全な景色が広がってゆくことを願いたい。