医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例エムスリーとアリババが共同開発するCOVID-19肺炎検出AI

エムスリーとアリババが共同開発するCOVID-19肺炎検出AI

医療情報サービスのエムスリーは、中国Alibabaグループの技術開発機関であるAlibaba DAMOと共同で、胸部CTからCOVID-19による異常領域を検出するソフトウェアを開発している。

エムスリーは3日のプレスリリースで「COVID-19肺炎検出プログラム Ali-M3」と仮称されるソフトウェアについて、厚生労働省に医療機器製造販売承認の申請をしたことを発表した。現時点で同ソフト単独による確定診断とはならないが、COVID-19疑い患者の胸部CTで感染病変の部位と存在可能性を数値化して医師の診断を補助することができる。

アリババクラウドのプレスリリースによると、同グループが中国160以上の病院で提供していたCT解析サービスは、分析時間3-4秒かつデータ転送時間15-16秒という高速処理をうたう。日本国内での承認取得後からは、エムスリーエッジサーバーを用いて各病院の画像管理システム(PACS)と連動する運びとなる。

CT保有大国である故か、日本国内の市中病院では入院や手術前の患者全例にCTでのCOVID-19スクリーニングを課すような、過剰な検査需要が発生する施設さえもある。現場の負担軽減にどれだけのパフォーマンスを発揮できるか、今後の展開が注目される。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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