医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例「Run:AI」はGPU使用最適化でロンドンAIセンターのCOVID-19対策を支援

「Run:AI」はGPU使用最適化でロンドンAIセンターのCOVID-19対策を支援

イスラエル拠点のスタートアップ「Run:AI」は、ディープラーニングのようなAI開発にかかる時間を大きく左右する「コンピュータ上のGPU使用」を最適化して制御するソフトウェアを提供している。

Run:AI社の8日付けプレスリリースによると、同社はロンドンの医療画像・AIセンター(London Medical Imaging & Artificial Intelligence Centre for Value Based Healthcare)と提携し、そこで行われているAI開発の高速化を支援しているという。Run:AIの導入によってAIセンターでの実験所要時間は短縮され、平均46日以上かかっていた1つの実験が、現在では1日半で実行できるようになったという。

AIセンターはキングス・カレッジ・ロンドンが主導、セント・トーマス病院を拠点としており、現在その開発リソースの多くを新型コロナウイルス対策へ充てている。開発の成果のひとつには、味覚・嗅覚の異常が発熱よりもCOVID-19の強力な予測因子となることを提唱したAI診断ツールがあり、英国政府の公式発表を修正するきっかけとなった。Run:AIとの提携により、AIセンターとCOVID-19との戦いはより迅速なものとなることが期待されている。

TOKYO analytica
TOKYO analyticahttps://tokyoanalytica.com/
TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
RELATED ARTICLES

最新記事

注目の記事