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シドニー大学 – 精神神経学領域でのAI医学研究

オーストラリア・シドニー大学が有するBrain and Mind Centreは、精神疾患および神経疾患の診断と治療に役立つAI技術の研究開発に精力的に取り組んでいる。多様な専門分野の研究者・臨床専門家・業界パートナーなどを結びつけ、学際的研究を積極的に推進する同センターは、精神神経学領域におけるAIの活用を先導する。

シドニー大学による8日付けニュースリリースによると、Brain and Mind Centreの主幹となる2つのプロジェクトは、政府から計700万ドルの研究助成を受けているという。プロジェクトの1つ目は若年者のメンタルヘルスケアをサポートするAI技術を開発するもので、介入の影響を定量化することで、治療導入に関する適切な臨床判断を導くデジタルツールの開発を目指す。他方は、多発性硬化症など重要な神経疾患の正確な診断のため、広範なAIシステム構築を進めるもの。ここでは医用画像の高度処理技術が大きな役割を果たしており、患者プライバシーとデータセキュリティを維持したまま、各ヘルスセクター内で完結する新しいAIネットワーク構築を推進する。

シドニー大学のDuncan Ivison教授は「我々センターの研究者たちは、重要な医学研究課題に取り組む最前線にいる。取り扱うプロジェクト群は、医学的専門性とAI技術の融合によってヘルスケアの将来に多大な貢献ができる」とする。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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