中国・米国などの共同研究チームは、悪性腫瘍のリンパ節転移を正確にスクリーニングするAIモデルを開発した。リンパ節は生体の免疫システムにおいて重要な役割を果たすが、悪性腫瘍の転移部としても好発で、正確なリンパ節転移の検出は治療方針の策定において欠かせない。
中国新華社通信が11日報じたところによると、中山大学および米ウィスコンシン大学などの共同研究チームは、293名の大腸がん患者のMRI画像から、リンパ節転移を高精度に予測するAIアルゴリズムを構築した。同アルゴリズムは人間の医師の100倍に相当する「患者1名の画像セットあたり1.37秒」でスクリーニングできる。研究成果はEBioMedicineに収載されており、ここでは妥当性の検証試験として4人の専門医との読影比較も行っている。
研究を率いたGao Xin氏は「AIを利用したスクリーニングモデルにより、手作業を大幅に削減することを通した臨床効率と患者アウトカムの改善が期待できる」と研究成果に自信を示す。当該AIアルゴリズムは、他臓器・組織への転移性がん検出にも利用できるとし、今後の進展にも期待は大きい。