医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例AIを巡る医療経済・政策AIがアルツハイマー病の診療をスピードアップし医療負担を軽減

AIがアルツハイマー病の診療をスピードアップし医療負担を軽減

認知症の最も一般的な原因であるアルツハイマー病は、高齢化を最大のリスクとして、2050年には世界の患者数が現在の約3倍の1億1500万人に到達するとの推計がある。アルツハイマー病のような神経変性疾患が社会に与える影響は経済的側面でも計り知れない。

英国シェフィールド大学のニュースリリースによると、同大学の神経科学研究所では、アルツハイマー病をはじめとした神経変性疾患が同国のNHSに与える経済的影響を、AIの日常的応用によってどのように緩和できるか研究を進める。成果は学術誌 Nature Reviews Neurologyに発表されており、AI技術によって神経変性疾患の進行前に早期発見し、治療の成功可能性を高め、医療経済への負担を軽減できる可能性が示された。

各種アルゴリズムは、脳の変性を捉える画像診断への使用はもとより、患者の音声から語彙や意味的特徴を分析し認知機能の評価、あるいは電子カルテや遺伝子プロファイルから患者に個別化された治療法を提案することもできる。研究をリードしたLaura Ferraiuolo博士は「AI技術の遠隔診療への利用は、移動に問題を抱える神経変性疾患患者に大きなメリットがあるでしょう」と述べ、患者や医師が診療所で過ごす時間の減少はNHSにとって医療資源の節約につながると主張する。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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