Heroic-Faith – 呼吸モニタリングAIによるCOVID-19対策

台湾のAIスタートアップであるHeroic-Faithは、呼吸音のAIモニタリングシステムの開発を通したCOVID-19対策に取り組んでいる。同社はこのほど、スタートアップ支援にフォーカスする金融サービス企業であるIntegral Groupが主導するラウンドにおいて、新たに400万米ドルの資金を調達したことを明らかにした。

Heroic-Faithが先週公表したところによると、今回の資金調達はCOVID-19のパンデミックとそれに伴うリモートモニタリングシステムの需要増に伴うものであるとする。同社は呼吸モニタリングAIの精度向上のため、台湾の複数の医療機関から50万を超える呼吸音サンプルを収集し、過去6ヶ月間に渡ってラベル付けと解析を行ってきた。現在同社は、スタンドアローンで駆動するモバイルアプリケーションを実用化しており、自宅での呼吸モニタリングだけでなく、集中治療室や隔離病棟における活用も推進する。

呼吸音異常は非侵襲的な検出が可能である一方、病態の正確な識別には一定の臨床経験が欠かせない。単に呼吸数の変化を監視するのみならず、喘息やCOPD、肺炎、肺水腫など個別の呼吸音異常を自動検出し警告できる同システムには、慢性的な人員不足を抱える医療現場での需要も大きい。具体的な肺音測定方法などは過去記事を参照頂きたい。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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