結核治療で重要な役割を果たすイソニアジドやリファンピシンのような薬剤に治療耐性を有する結核は「多剤耐性結核(MDR-TB)」と呼ばれる。結核の撲滅へ世界的な取り組みが続く中、MDR-TBが存在することは公衆衛生上の課題であり脅威となり続ける。医療AIプラットフォームを開発するInveniAIは、結核治療に応用するAIの開発を発表している。
InveniAIの7月31日付プレスリリースによると、同社のAI技術AlphaMeldを搭載した結核治療用プラットフォームTBMeldは、新規結核ワクチン・既存治療薬と新規治療薬の組み合わせなどの発見や追跡あるいは評価に用いられる。機械学習アルゴリズムに基づく予測モデリングによって、結核の耐性株・非耐性株、いずれの患者にも合わせた効果的な治療オプションを提供することを目指す。
今回のTBMeldoのプラットフォーム構築には、世界中の感染症対策を支援する慈善団体ミューラー健康財団(MHF)との提携が発表されている。WHOの報告では、世界的な結核発生率は年2%で減少しているが、2030年までの持続可能な開発目標(SDGs)には年4-5%の減少率に加速させる必要があり、革新的で手頃な価格帯の優れた対抗策が期待されている。