中国四川大学の研究チームは、肝臓移植手術後の「短期的な死亡率」を予測する簡便なスコアリングモデルを開発した。4因子のシンプルなモデルが十分な予測能を持つことを示しており、ドナー情報が事前入手できない場合などの患者予後評価に利用できる可能性が示唆されている。
International Journal of Surgeryにて公表されたチームの研究論文によると、1,495症例の患者コホートを利用し、単変量および多変量解析に機械学習技術を適用して患者予後の影響因子を評価したという。データ総数の25%を割り付けたテストセットにおいても、クレアチニン・総ビリルビン・年齢は独立した危険因子となり、アルブミンは保護因子となるとともに、簡便なスコアリングモデルは90日後の死亡率予測において十分な精度を維持していた。
ドナー情報に関わらず、レシピエントの術前特性のみで一定の予後予測を実現するスコアリングシステムには一定の臨床的な利用価値がある。今後のさらなる精度向上と他コホートにおける妥当性検証が望まれている。