緑内障の画像診断根拠を臨床医に説明できるAI – ソウル大学病院

深層学習モデルが何を根拠に診断を下しているかは、臨床医がAIを信頼するために重要なものとなる。いわゆるブラックボックス化を防ぐ「説明可能なAI(XAI)」については以前にも紹介している(過去記事)。ソウル大学病院のグループは、失明の原因となる代表疾患である緑内障について眼底画像から診断するXAIを開発し、学術誌 Ophthalmologyに発表した。

Korea Biomedical Reviewでは同研究を紹介している。網膜眼底画像6,430枚で訓練された深層学習モデルは、緑内障を特定するための病変領域を指摘する一方で、adversarial examples(AEs)すなわちAIが病的特徴を捉えられない正常所見の画像例を機械的に生成させる。そのことによって臨床医に異常所見とそれが除去された画像の例を対比して提示し、AIに緑内障の所見を説明させることができた。

同研究は、病変位置を示すだけであったヒートマップのような従来の方式よりも、臨床医のAIに対する信頼性が高まるひとつの手法として期待される。XAIが実臨床に応用されていく好例として注目したい。

前の記事Zebra Medical Vision – マンモグラフィAIで新たにFDA認証を取得
次の記事肝移植後の短期死亡率予測モデル
TOKYO analytica
TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。
The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc, PhD
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員を経て、東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。