医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例RenalytixAI - アストラゼネカとのコラボレーションによる精密医療戦略

RenalytixAI – アストラゼネカとのコラボレーションによる精密医療戦略

AIによる診断プラットフォームの開発で知られる米RenalytixAIは、製薬大手のアストラゼネカとのパートナーシップを公表した。両者はRenalytixAIのプラットフォームを介し、精密医療(precision medicine)に基づく診断ソリューションの開発および患者ケアの向上を狙う。これに伴って新たに計画される臨床試験(多施設ランダム化比較試験)には、ニューヨーク最大の病院ネットワークであるMount Sinai Health Systemも名を連ねる。

RenalytixAIがこのほど公表したところによると、同社のAI診断プラットフォームであるKidneyIntelXを、現在の標準プロトコル下での慢性腎臓病(CKD)の治療最適化に役立てることから始めるという。2018年にThe Lancetから公表されたシステマティックレビューによると、世界7億人もがCKDを有していると推算され、心血管疾患を含む重篤な疾患群の重要なリスク因子ともなることを考慮すると、その疾患インパクトは非常に大きい。

RenalytixAIの取締役メンバーで、マウントサイナイ医科大学のBarbara Murphy氏は「このコラボレーションは、KidneyIntelXを通して慢性疾患患者の治療方法と転機を改善する、パーソナライズされたアプローチを実現するものだ」とする。この取り組みにおける最初の成果は、2021年初頭の公開が予想されている。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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