フェンタニルを識別する機械学習手法 – セントラルフロリダ大学

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強い鎮痛効果を持つフェンタニルは、医療用麻薬として用いられる他に、違法ドラッグとしての濫用や、エアロゾル化して化学兵器とされるリスクがある。「機械学習によって、既知のフェンタニルと、新しく人為的に合成されたフェンタニルを識別する手法」が学術誌 Scientific Reportsに発表されている。

研究を主導したセントラルフロリダ大学のニュースリリースによると、同研究ではフェンタニルに含まれる官能基の構成分子を赤外線スペクトルによって識別する機械学習アルゴリズムが構築された。このAI手法によって、フェンタニルの識別が92.5%の精度で可能であることが示されている。

今回の研究では、赤外線スペクトル分析は卓上装置で迅速かつ高精度に行われるが、対象となるのはガス状の化合物に限定されている。機械学習のさらなる利用により、粉末状のフェンタニルを検出する研究が進められる。また、法執行機関や軍人が現場で活用できるような検出装置として、2021年までに同技術が実用化されることも期待されている。

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TOKYO analytica
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The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc, PhD
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員を経て、東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。